第二種電気工事士の勉強を始めると、最初に迷いやすいのは「何から手を付けるか」です。筆記だけなら問題集、技能だけなら工具や候補問題の解説、と分けて考えられますが、実際には両方を行き来しながら覚える必要があります。そこで私が試したのが、教育アプリの第二種電気工事士試験対策「第二種電気工事士試験対策 電工試験の虎 学科/技能解説動画付」です。
このアプリは、ホーザン株式会社が提供している無料アプリです。広告を挟まずに使える点が大きく、学科試験から技能試験までの解説動画を一つの場所で確認できます。私は、移動中に知識を入れ、帰宅後に実物の練習へつなげる使い方が合っていると感じました。
ただし、入れればそのまま合格に近づくタイプではありません。動画を見たことで分かった気になりやすく、工具を持った練習や自分で答えを出す時間は別に必要です。この記事では、実際に使っていてつまずきやすいところ、始める前の確認、途中で学習が止まったときの戻り方、そしてこのアプリを選ばないほうがよいケースまで、受験者目線で整理します。
最初につまずきやすい場所を先に知っておく
学科と技能を同じ感覚で進めない
このアプリの魅力は、学科と技能の両方を扱えることです。一方で、二つの勉強方法はかなり違います。学科では、配線図記号や電気理論、法令などを見て答えを選ぶ力が中心になります。技能では、材料を確認し、手を動かし、欠陥につながる作業を避ける判断が必要です。
動画を順番に見ていくだけだと、学科の理解は進んでも、技能で必要な手順が手元に残りにくいことがあります。私は、技能解説を見た直後に「次に何をするか」を声に出して確認すると、ただ視聴するより記憶に残りやすいと感じました。見る、止める、手順を言い直す、という小さな区切りが効果的です。
動画を見たのに問題が解けない理由
解説動画は、初めて学ぶ人が全体像をつかむのに向いています。しかし、理解した内容を自分で再現できるかは別問題です。たとえば、リングスリーブや接続方法の説明を見て納得しても、実際に作業すると電線の長さ、被覆の扱い、工具の向きなどで迷います。
ここで焦って同じ動画を何度も再生するだけでは、弱点が見えません。私は、動画の途中で一時停止し、次の工程を紙に書いてから再生を続ける方法をおすすめします。思い出せなかった工程が、そのまま復習すべき場所になります。
学習の入口が広いぶん、順番を自分で決める必要がある
一つのアプリで幅広い内容を扱える反面、受験日や現在の実力に合わせた順番は自分で設計したほうが使いやすいです。完全な初心者なら、いきなり技能動画だけを見続けるより、学科の基本用語と図記号を先に押さえたほうが、後の説明を理解しやすくなります。
反対に、学科の知識がある人は、技能の手順を早めに確認しておくと、必要な材料や工具を準備する時間を取りやすくなります。私なら、最初の段階で学科と技能を少しずつ触り、どちらが自分の弱点かを見極めてから比重を変えます。
スマートフォンの画面だけでは細部を見落とすことがある
電線の加工や接続部分は、画面が小さいと細かな違いを確認しにくい場合があります。動画を見ながら実物を扱うなら、スマートフォンを手元に置くより、見やすい位置に固定したほうが安全で、視線も安定します。
ただし、画面を見続けながら工具を操作するのはおすすめしません。動画で工程を確認したら一度止め、作業に集中し、終わったところで再生を戻す使い方が現実的です。これは学習効率だけでなく、工具の扱いを雑にしないためにも大切です。
始める前に確認したい端末と環境
対応する最低OSはAndroid 7.0です。古い端末を使っている人は、インストール前にOSの条件を確認しておくと、始めてから動作面で悩まずに済みます。iOS端末を使う場合も、利用するストアで対応条件を確認してから導入するのが安心です。
動画を中心に使うアプリなので、視聴環境も重要です。自宅では問題なくても、移動中に再生が途切れると学習の流れが崩れます。私は、外で使うときは短い区切りで見るようにし、重要な手順は通信状態のよい場所で改めて確認するようにしています。
また、学習を始める前に、ノートを一冊用意しておくと便利です。単なるまとめ帳ではなく、「間違えた理由」と「次に確認する操作」だけを書く専用ノートにします。アプリを何度も開いて迷う時間を減らせるため、短時間の復習でも成果を出しやすくなります。
無料だからこそ先に学習計画を作る
このアプリは無料で、広告なしで学べることが特徴です。費用を気にせず始められるのは大きな利点ですが、無料であることを理由に、気分次第で動画を見るだけになってしまうと効果が薄れます。
私が実践しやすいと思ったのは、平日は学科の確認、休日は技能の視聴と実作業という分け方です。毎日長時間を確保できない人でも、通勤前に用語を一つ確認し、夜にその内容を説明できるか試すだけで、受け身の視聴から抜け出せます。
途中で学習が止まったときの戻り方
勉強が止まる原因は、内容が難しいことだけではありません。動画をどこまで見たか分からなくなったり、学科と技能を行ったり来たりして、次の行動が曖昧になったりすることもあります。そういうときは、最初から全部やり直すより、最後に自分で説明できた項目まで戻るほうが効率的です。
私は、視聴を終えるたびにノートへ「今日できるようになったこと」を一行だけ書く方法を使いました。次回はその一行を読み、何も見ずに説明できるか試します。説明できなければ前の動画へ戻り、説明できれば次へ進む。この基準なら、再生時間ではなく理解度で進み具合を判断できます。
再生や表示に問題があるときの基本的な切り分け
動画が止まる、画面がうまく表示されない、操作が反応しにくいといった場合は、まずアプリを一度閉じてから再び開きます。それでも変わらないときは、通信状態を確認し、別の場所や安定した環境で試します。端末の空き容量やOSの状態を確認することも、一般的な切り分けとして役立ちます。
何度も連続して操作するより、状況を一つずつ変えて原因を絞るほうが安全です。特に、電気工事の練習中に再生が止まった場合は、画面を直そうとしながら工具を持ち続けないでください。作業を止めてから端末を確認する、という順番を守るべきです。
アプリではなく学習方法が原因のケース
「見たのに覚えられない」と感じたとき、すぐアプリの不足だと考える必要はありません。技能は、視聴だけでは手の動きまで身につかない分野です。解説を確認した後、実際の材料で同じ工程を再現し、どこで迷ったかを記録する作業が必要です。
学科でも、動画を流し続けるだけでは選択肢の見分け方が育ちません。説明を見た後に、図記号や計算の考え方を自分の言葉で書き、翌日に見ずに再現すると定着しやすくなります。アプリは先生役として役立ちますが、練習問題を解く受験者役まで代わってくれるわけではありません。
紙の参考書や実技教材との使い分け
通常の参考書は、ページを並べて比較したり、余白に書き込んだりできる点が強みです。法令や理論を体系的に読みたい人には、紙の本のほうが落ち着くこともあります。一方、動画は工具の動きや作業の順番を確認しやすく、静止画だけでは分かりにくい部分を補えます。
私は、学科の整理には紙やノート、技能の手順確認にはこのアプリ、という分担が最も自然だと思いました。どちらか一つですべてを済ませようとするより、媒体ごとの得意分野を使い分けたほうが、余計な見直しが減ります。
このアプリを選ばないほうがよい人
動画を見る時間を取りにくく、文字情報を短時間で検索したい人には、一覧性の高い参考書や問題演習中心の教材のほうが向いています。また、すでに技能作業に慣れていて、必要なのが細かな採点基準の確認だけなら、総合的な解説動画より、目的に合った専門教材を追加したほうが早い場合があります。
反対に、試験範囲をまだ整理できていない人、学科と技能を別々に探すのが面倒な人、広告に邪魔されず無料で始めたい人には相性がよいです。対象年齢は3歳以上と表示されていますが、実際の試験対策は大人の受験者向けです。年齢表示だけで内容を判断せず、受験目的に合うかで選ぶべきです。
評価と利用規模から見た立ち位置
ストア上では平均4.6の評価で、評価数は99件です。利用者数は1万回以上のインストールに達しています。大規模な一般向け学習サービスというより、第二種電気工事士を目指す人が目的を絞って使う専門アプリという印象です。
開発元はホーザン株式会社で、電気工事士試験の準備に関心がある人には名前を見つけやすい存在です。リリースは2022年10月16日で、現在のバージョンは4.0.20です。導入時には、ストアで表示される最新版や端末条件を確認してから使い始めると、古い環境との行き違いを避けやすくなります。
私ならこう使う、という具体的な一日の流れ
たとえば仕事のある日は、朝に学科の解説を短く確認し、昼休みにノートの一行を見返します。帰宅後は、朝に見た内容を自分で説明してから、技能動画を一つの工程だけ再生します。ここで欲張って多くの動画を消化せず、実際の作業で再現できる単位に区切るのがポイントです。
休日は、技能の動画を見ながら必要な道具を横に並べ、工程ごとに再生を止めます。終わったら完成したものを眺めるだけでなく、最初に決めた手順から外れた箇所を確認します。うまくいかなかった箇所は、動画の題名や内容をノートに残し、次回はそこから再開します。
この流れなら、アプリを開く目的が毎回はっきりします。「今日は勉強する」ではなく、「図記号を説明できるようにする」「一つの接続手順を止まらずに言えるようにする」と決めることで、短い時間でも達成感を得やすくなります。
使い始める前に知っておきたい判断基準
このアプリを入れるか迷っているなら、まず自分の不足が「試験全体の見通し」なのか、「問題演習の量」なのか、「技能の手順確認」なのかを考えてください。全体像や動画による手順理解が必要なら、無料で始められるこのアプリは有力です。
一方、すでに動画で理解できていて、あとは大量の問題を解く段階なら、問題集を中心にして補助的に使うほうが合理的です。技能についても、アプリで見た後に実物練習へ移れない環境なら、期待したほどの効果は出にくいでしょう。
結論として、最初の一歩にはかなり使いやすい
私の結論は、第二種電気工事士の勉強をこれから始める人にとって、無料かつ広告なしで学科と技能の入口を一つにまとめられる点が強いというものです。動画で手順を確認できるため、文字だけの教材で作業を想像しにくい人には特に助けになります。
ただし、合格に必要な練習をすべて置き換えるアプリではありません。学科は自分で問題を解き、技能は材料と工具を使って手を動かす。その二つを前提に、分からないところへ戻る案内役として使うのが最も良い使い方です。
私なら、まず自分の端末で問題なく利用できることを確認し、ノートを用意して、学科と技能を一つずつ試します。動画を見て終わりにせず、見た内容を説明する、作業で再現する、失敗点を記録する。この三段階まで行える人なら、試験勉強の土台として十分に役立てられるアプリだと思います。
逆に、検索性や大量演習を最優先する人は、紙の問題集や別の演習教材を主役にしたほうが満足しやすいでしょう。それでも、技能の流れを映像で確認でき、学科から技能まで同じアプリで見渡せる手軽さは魅力です。受験勉強を始めるきっかけが欲しい人には、私は友人にもすすめやすい選択肢です。









